代表取締役 金子 元
私は時々皆さんに「会社に入るまでには何をしていたんですか」と聞かれると、ちょっと返答に困って「実はプラプラしていました」とはぐらかすような返事をしていました。
実は高校卒業後、色々なアルバイトをしながら大好きだった音楽をしていたため、一人前の社会人としてのスタートが人一倍遅かったことを負い目と感じていたのだと思います。数年頑張りましたが残念ながら大好きだった音楽では生活できませんでした。
大根との出会い
それから弊社のグループ会社(株)日本ベジタにて大根の生産に携わることになりました。
じつは大根は重量野菜ということもあり、現在ものすごい速度で作付面積が激減しています。そして特に加工メーカーなどでは原料の手当てが年々厳しくなってきています。
畑で実際に体験し感じたことですが、大根を作るためには本当に様々な苦労があります。
まず大根はほかの野菜と比べると重く、特に収穫作業が大変です。機械での収穫作業もできなくはないのですが、天候により機械が畑に入れなかったり、品種によっては機械での収穫がしづらいものもあります。
そして私たちは1年通して栽培していますので、特に冬の朝一番の収穫作業は、寒さで長靴をはいた足先の感覚が無くなるほどです。また、真夏の暑さの中での作業はフラフラになり、体力的にもキツイ仕事です。(今現在もこうした大変な思いをして生産してくれているスタッフがいるおかげで安定した原料を確保できています。)
また、どうしても農産物ですので天候の影響も受けやすく、近年のいわゆる異常気象に苦労しています。その時々の状況を理解把握して次の手を打っていかないと、手塩にかけて育てている大根がダメになってしまいます。それでも原料を切らしてしまうことはできませんので、自分たちが加工で必要な量より少し多めに作付することによって、品質と数量の安定に努めています。
平成4年から今まで20年以上の大根の生産経験とノウハウがあり、ありがたいことですが年々すばらし大根が作れるようになってきました。
大根は引き立て役に
そんな思いの詰まった私たちの大根ですが、面白いもので「刺身のつま」や「大根おろし」などに代表されるように、残念ながら大根は決して食卓の主役になれるものではありません。
しかし大根は主役を支え、引き立てるということがとっても得意な存在です。また時には主役のためになくてはならない存在になったりします。
「なくてはならない存在に!」なんというと急に大げさに聞こえますが、そんな商品やサービスをご提供できるよう、これからも努力を続けていきたいと思いますので、これからも変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。
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